2012年3月23日金曜日

エレガットのサウンドメイク・アイディア

ここ最近いろいろなメーカーからクオリティの高いエレガットが発売されていますね。ソリッドボディならGodin、Sadowsky、アコースティックボディならTaylor、Larrivee、そして元祖エレガットとも言うべきGibsonなどなど。オーソドックスに伴奏に使ったり、リードギターとして使ったり、いろいろな使い方ができるのがエレガットの強みです。そんなエレガットのサウンドメイクで僕が行っているアイディアを紹介したいと思います。

そもそもエレガットとは、クラシックギターに張ってあるのと同じガット弦の振動を特殊なピックアップで拾い、エレキギターのようにPAやアンプから出力できるギターです。ガット弦の太く温かな音色を使えるのはギタリストの表現方法としてとても有効だと思います。ソリッドボディとアコースティックボディでキャラクターの違いはありますが、「ピエゾピックアップ」で弦振動を拾っているという点が共通しています。

2012年3月21日水曜日

PatMethenyLabo:Target Note Approachの演奏例

ここではtarget note approachを使って演奏されたフレーズの実例を挙げてみたいと思います。第9回モントリオール国際ジャズフェスティバルにてSteve Swallow(ベース)、Bob Moses(ドラムス)とのトリオで演奏した映像をご覧ください。曲はブラジルの伝説的シンガーソングライター、Milton Nascimento作曲の「Vera Cruz」。アドリブの最初(1分35秒)で弾かれているフレーズです。










2012年3月16日金曜日

PatMethenyLabo:トライアドとTarget Note Approach

Patのアドリブの中で一番特徴的なのはtarget note approachです。他のギタリストとは全く異なるアプローチであり、他のジャズプレイヤーとも全く異なるアプローチであると言っても良いかもしれません。Patがなぜこの奏法に行き着いたのか、1992年に行われたインタビューの言葉を引用しながら考察していきたいと思います。

Q:あなたのプレイには多くのクロマチックノートが含まれていますね。」
Pat:長い時間をかけてアドリブを勉強してきたミュージシャンは誰でも、どうにか12音全てを常に使えるようにならないかというアイディアに最終的に行き着くんだ。そしてその先のステップは、実際に12音全てを使い始めることなんだ!最初はとても違和感があるよ。でもその部分のアドリブ言語を深く掘り下げてきたColtraneなどの演奏をたくさん聞けば、自分でもちゃんと聞けるようになってくるものだよ。」

2012年3月13日火曜日

自分に合ったギターを探そう!

世の中にはすごくたくさんの種類のギターがあります。 その中から自分に合ったギターを見つけるためには どんなギターがどんな音楽に合っているのか? を知る必要があります。 「これからギターを始めたい!」という人も、 「新しいギターを買いたい!」という人も、 まずこのページをご覧になってください! きっといいアイディアが浮かんでくるはずです!
では代表的なギターを例に挙げて、 それぞれのギターの特徴を説明したいと思います。

アコースティックギター(スティール弦)
いわゆる「アコギ」と呼ばれているタイプのギターです。スティ ール弦(鉄弦)の艶やかできらきらした高音と密度の濃い低音が ボディ全体を共鳴させて豊かなサウンドを生み出します。ストロ ークでガシガシ弾いたりアルペジオなどの指弾きで繊細に爪弾い たりなど、その音楽スタイルによっていろいろな奏法が生み出されてきました。またボディを作っている木材の種類で音質が大きく左右されるので、何の木を使っているのか?というところに注目してみると面白いと思います!

写真:Collings OM2H。その小さめのボディからは 想像もできない程の鳴りと、まさに「色っぽい」サウンドが素晴 らしい楽器です。戦前のマーティンを手本に、改良を加えたという作り方にその秘密があるのでしょうね。

2012年3月11日日曜日

ピックの使い方基本講座

指弾きと並んで大切なテクニックがピック弾きです。ピックは慣れるまでなかなか扱いにくいものですが、コツをつかめば大丈夫!ピック弾きを上手くできるようになる方法を紹介します。

右手の形をしっかり作ろう!
単音ピッキングをするために一番最初に大切なのは、「安定した右手の形を作る」ということです。1本1本の弦をきちんと弾けるようになるために、まず次のように右手の形を作りましょう!

ピックを握り、右手を弦の弾きたい場所の真上に持ってきます。このときピック、手首、指は弦に触れないで、浮かせたままにしておきます。

2012年3月8日木曜日

PatMethenyLabo:パットはなぜ薄いピックを使うのか?

~幼少期の音楽体験から現在につながるPatの感性~

Patが使うピックはティアドロップ型で、厚さが0.5mm程度のものが多いようです。
以前はJim Dunlop製で厚みが0.46mm、普通のプラスチック素材のものを使っていました。
現在は同じくJim Dunlop製の厚みが0.5mm、tortex素材のものを使うことが多いようです。
ピックの好みはギタリストそれぞれで違いますが、なぜPatはこのような薄いピックを好んで使っているのでしょうか?
理由は薄いピックが持っているキャラクターにあると思います。
以下に薄いピックと厚いピックのキャラクターの違いを挙げ、ピックの観点からPatサウンドの考察をしていきたいと思います。

2012年3月5日月曜日

How to play アップストローク

■アップストロークとは
アップストロークはピックを使って伴奏するときに必要なテクニックの一つです。1弦の高音弦側から6弦の低音弦側にピックを振り上げ、6本の弦全てを鳴らすのが基本です。場合によっては部分的に5本、4本、3本だけを鳴らすこともあります。ダウンストロークと同様、リズムギターに不可欠なテクニックなので、しっかり学んでしてくださいね。

■アップストロークの演奏方法
まずピックを指に力を入れずに柔らかく持ちます。1弦から6弦に向かって、6本の弦全てが鳴るようにピックを弾き上げます。ピックが弦が引っかからないように手首を柔らかく使い、肘から先を大きく動かして弾いてください。全ての弦が同じ音量で発音し、6本の弦の音が一つにまとまって聞こえるようにすばやく弾きましょう。このときピックが指の中で動いたりずれたりする感覚があるかもしれませんが、かと言ってピックを強く握ってはいけません。固く力んだ音色しか出なくなり、スムーズにアップストロークを弾くことができなくなってしまいます。柔らかくピックを持つ感覚を保ちながら演奏できるようにがんばってください。


2012年3月3日土曜日

I-VI-II-Vコード進行でのヴァイオリンのフレーズ by Stephane Grappelli

僕がこれまで耳コピーをし、蓄えてきたアドリブフレーズを紹介します。指使いやニュアンスなど演奏における注意点の他に、音使いのアナライズも解説しています。アドリブのアイディアを広げる参考にしてください!



■フレーズの概要

Stephane Grappelliはジャズ・ヴァイオリンというカテゴリーを確立した偉大なミュージシャンです。その長いキャリアの中では伝説のスウィングギタリストDjango Reinhardtとグループを結成していた時期もあり、現代音楽史を語る上で欠かせないジャズプレイヤーの一人です。今回のフレーズはメジャーキーの代表的なコード進行である Imaj7-VIm7-IIm7-V7の中で演奏されているものです。曲のkeyはGメジャーです。ヴァイオリンならではの音色のニュアンスと共に、ジャズ的な音の選択方法にも注目していきたいと思います。

2012年3月1日木曜日

PatMethenyLabo:「James」アドリブ研究その4




Patが敬愛するアメリカのシンガーソングライター、James Taylorに捧げた曲「James」。
優しいメロディラインはすぐに口ずさめるくらいポップでありながら、モーダルインターチェンジを駆使したコード進行がとても印象的です。
Jamesのオリジナルアルバム・バージョンからのアドリブソロコピー、その4です。

<フレーズの説明>
・再生時間2秒
15小節目4拍目のウラ拍から始まるフレーズの、最初の4音を取り上げます。コード進行はC#m7b5からF#7へとつながる移り変わりの激しい箇所です。Patはこれらのコードを几帳面になぞるのではなく、重要なポイントに絞って演奏しています。Patの音使いはF#、G、A#、C#となっていますが、これらの音をどのように解釈すれば良いでしょうか。
C#m7b5からみると4度、b5度、6度、ルートとなります。
F#7からみるとルート、b2度(=b9度)、3度、5度となります。
両者を比べてみると、F#7(b9)のコードトーンを弾いていると考えるのが一番シンプルだと思います。Patはこの場合(流れの早いコード進行のとき)無理に全てのコードを弾こうとせず、印象的なコードに絞りフレーズをくっきり聴かせているということが言えると思います。

・再生時間3秒
16小節目の3拍目からの4音についてです。コードはBm7の箇所です。コードトーンと対比した場合はb3度、4度、5度、b3度となりますが、曲のキーから見るとDo、Re、Mi、Doとなっています。本来であればBm7=VIm7のフレーズとして捉えるべきですが、聴こえ方としてはDメジャースケールの最初の3音と聴こえます。

・再生時間4秒
17小節目から18小節目まで、繰り返しのフレーズが出てくる部分です。So、Mi、DoというフレーズとSo、Tiというフレーズの2種類が入っています。コード進行はEm7とD on F#の繰り返しなのでコードトーンとして見ると正反対の順番なのですが、フレーズとしてみるとこの順番の方が流れが出ますね。

・再生時間7秒
19小節目から20小節目の2拍目までの部分です。SolfegeでいうとLa、La、So、So、Re、Re、Re、Re、Doとなっています。Em7の部分は5度、5度、4度、4度となり、4度のA音は次のA7のルート音ですね。これはコード進行を前倒しで弾いていると言えます。その流れで次のフレーズ、A7の部分で5度、5度、5度、5度となり、Dmaj7でRootに落ち着きます。

<参考音源>
音源はPat Metheny Groupのアルバム「Offramp」に収録されています。右上のジャケット写真をクリックするとiTunesプレビューが開きますので、まだ聴いたことがない人はぜひチェックしてください!