2011年12月30日金曜日

ピッキングする場所についての考察

弦をピッキングをする場所には大きく分けて3種類の場所があり、それぞれ音色が異なります。
場所による音色のキャラクターを把握して、シチュエーションに応じた最適な音色で弾けるようにしましょう。

■Standard Position
ギターを普通に持ったとき自然に右手を置く場所で演奏する方法です。
写真のように、フィンガーボードの端からブリッジの間のちょうど真ん中くらいでピッキングします。
弦のテンションが適度に感じられて、一番弾きやすい場所です。
弦の一番ナチュラルなサウンドである、伸びやかで輪郭のくっきりした音色が出ます。
ロックやポピュラーのメロディやアドリブの演奏向きです。
パームミュートを使ったハーフミュートプレイにも向いています。


■Front Position

フィンガーボードの一番端のあたりでピッキングする方法です。
音色は弦のテンションが緩い場所で弾くので、太くて柔らかく聴こえます。
ジャズやポピュラーで太くて甘い音色のメロディを弾くのに最適です。
バラードの演奏にも向いていて、管楽器に負けない存在感のある音色を出すことができます。


手を配置する方法には2通りあります。
(上の写真)
Standard Positionから右腕を少し前に出し、ピックがFront Positionにくるように調整した持ち方です。
普段Standard Positionで弾いているギタリストが、音色の変化を付けるためピッキング位置をずらすときに用いられます。
(下の写真)
右腕の位置はStandard Positionのまま、ギターを体のサイドで持ち懐に入れることで、ピッキングする位置が自然にFront Positionになる持ち方です。
ジャズギタリストに多く見られる持ち方で、常にFront Positionの音色で演奏したいとき用いられます。


■Bridge Position
ブリッジにかなり近い場所でピッキングする方法です。
弦のテンションが固い場所なので、中高音域に寄った固めの音が出ます。
音程が安定するので速弾きに向いています。
フラメンコ的なアタックの強いシングルノートプレイにも向いています。
ベーシストが好むポジションでもあり、音色のタイト感を出しファンキーなテイストを得るために用いられます。

[Notes !]
僕はメロディやアドリブ演奏にはFront Positionを選択しています。
ヴォーカルと同じくらい存在感のあるシングルノートを弾くには、太く甘く響くFront Positionがベストだからです。
ジャズ的コードソロにもFront Positionが最適です。
弦に弾力があるのでピッキングを柔らかく受け止めてくれて、音色がつぶれずきれいにまとまります。
Standard Positionでコードソロを弾くとリズムギター的なニュアンスになり、音色が埋もれてしまうので注意が必要です。
ピッキングする場所と音色の関係は、相対的にフィンガーボードに近い方が歌、ブリッジに近い方が伴奏に合うと言えます。
ギターの構造上、左手で弦を押さえている場所とブリッジのちょうど真ん中でピッキングすると、弦の振動が一番大きくなり一番柔らかい音色がするからです。
左手の動きに合わせて右手のピッキングポジションを移動させながら演奏することも大事なポイントです。