2012年1月25日水曜日

PatMethenyLabo:「Third Wind」アドリブフレーズに挑戦!

ジャズギタリストとして、そしてコンポーザーとして素晴らしい作品をたくさん残してきたパット・メセニー!デビュー当時からすでに才能を開花させていましたが、それに驕ることなく絶えず努力をすることで、現在では世界のトップと言えるテクニックと感性を身に付けることに成功した人でもあります。そんなパットの曲に挑戦してパットの感性を少しでも感じられたらと思い、この曲にチャレンジしました。もちろんそう簡単には弾けるものではありませんが、それも含めてぜひみなさんにもトライしてほしいと思います!



『Third Wind』に挑戦!
この曲は1987年に発表された「Still Life (talking)」に収録されています。ブラジル音楽の影響を大きく受けた時期に作られた曲だけあって、パーカッションを使った複雑なリズムプレイや独特のメロディラインがとても面白いと思います。トランスクライブ(採譜)に使ったのは『More Travels』というライブDVDからのバージョンです。譜例を見ながら解説を読んでください!


フレーズ解説
まず最初にフルサイズのスコアを見てほしいのですが(ここをクリック!)、この長い4小節のアドリブは『ターゲットノート・アプローチ』というパット独特のアイディアを使って弾かれています。そしてこのアドリブはいくつかの小さなフレーズが集まってできています。

譜例1は最初に出てくる小さなフレーズで、8コの16分音符でひとかたまり。ダブルクロマチックアプローチから始まり、スケールからはずれた音程で動いていくので、調性感が全く無くとても奇妙に聞こえます。「このアドリブは一体どこに向かっているんだろう?」と不安にさせる響きがとても強いのですが、フレーズの最後の音に落ち着いたとき、「あ~、よかった!」ととてもスッキリした気持ちになります。この効果こそがパットがこのフレーズに求めているものだと思います。

譜例2と譜例3もそれぞれ小さなフレーズで、ソロの中で何回か繰り返して出てきています。フレーズの形を手クセにして憶えてしまえばどうにか弾けるようになるので、みなさんもぜひチャレンジしてみてください!