2012年1月10日火曜日

モードについて

アドリブを勉強しようとすると必ず出てくるのが「モード」という言葉です。世間一般でモードというと服飾関係の言葉で、モードの新作が云々というのを良く聞くかと思います。この場合のモードの意味は、伝統的スタイルではなくモダンなスタイルというような意味です。言い換えるとモダンな雰囲気を持っている服ということですね。

モードの概念
音楽用語としてモードという言葉を使うと、音(スケールや曲)の持つ響き、雰囲気ということになります。我々がよく知っているスケールにはメジャースケールとマイナースケールがありますし、曲のキーにもメジャーとマイナーがあります。実はこれら以外にもいろいろな響きのスケールや曲があり、それを表現する言葉がモードということなのです。

モードを勉強するにはモードの響きを理解することが不可欠です。例えばメジャースケールは明るい響きがしますよね?実はメジャースケールもモードの一種です。一番馴染みのあるメジャースケールを響きの基準と考えて、いろいろな響きのスケールを導きだしてみましょう。

Ionianから派生するモードスケール
モードにはいろいろなキャラクターのものが存在します。メジャースケールのことを別名でIonian(アイオニアン)と言い、このIonianから6つのモードスケールが生まれます。まずアイオニアンをこのように表記します。
・Ionian : R(ルート), 2, 3, 4, 5, 6, 7

Ionianの2つ目の音から始まる音程をもつモードスケールをDorian(ドリアン)といいます。
・Dorian : R, 2, b3, 4, 5, 6, b7

同様に3つ目の音から始まるとPhrygian(フリジアン)といいます。
・Phrygian : R, b2, b3, 4, 5, b6, b7

4つ目から始まるとLydian(リディアン)といいます。
・Lydian : R, 2, 3, #4, 5, 6, 7

5つ目から始まるとMixolydian(ミクソリディアン)といいます。
・Mixolydian : R, 2, 3, 4, 5, 6, b7

6つ目から始まるとAeolian(エオリアン)といいます。(=ナチュラルマイナースケール)
・Aeolian : R, 2, b3, 4, 5, b6, b7

7つ目から始まるとLocrian(ロクリアン)といいます。
・Locrian : R, b2, b3, 4, b5, b6, b7

ギターで弾いて確認しよう!
各モードスケールはアイオニアンと比較して変化している音にフラット、またはシャープを付けて表記しています。これだけだとどのような響きになるのかイメージできないと思うので、実際にギターで弾いてみましょう。
まず、どこのポジションでも構いませんのでメジャースケールを弾いてみてください。これがアイオニアンですね。次にいま弾いたメジャースケールの2番目の音、つまりレの音から1オクターブ上のレの音まで弾いてみてください。上記の説明からするとドリアンというモードスケールを弾いているはずですが、響きはメジャースケールのままに聞こえていると思います。このままだとモードスケールの本当の響きは分かりません。

ここからがモードスケールの正体を知るポイントです!いま弾いたレから始まる1オクターブのスケールを、指使いは同じままでレをドに移動して弾いてみましょう。最初に弾いたメジャースケールとは違う響きのスケールになりましたね?実はこれがドリアンの響きなのです。音の感覚は言葉にするのが難しいですが、マイナーっぽい響きがするけれどそんなに暗くない、と僕は感じます。いまやったのと同じ手順で3つ目から7つ目までのスケールを弾いてみましょう。それぞれの響きが微妙に違うスケールになったと思います。この微妙な違いの「響き」のことを「モード」というのですね!

これら7つのスケールとモードはジャズに限らずポピュラーやクラシックなど、幅広く使われています。アドリブ演奏を極めたい人には必須の知識です。理論的に記憶するのと同時にギターで弾けるようにもしておきましょう。最初は難しいかもしれませんが必ずそれぞれのモードスケールの響きを意識しながら、時間をかけてじっくりと取り組んでくださいね!